1.目指すはユニバーサル作陶術 1)今までの通常の陶芸 一般的に陶芸は難しいもの、とっつき難いものというイメージがあります。著名な作家の作品は、それこそ想像を絶する価額がつけられています。もちろん、それなりの技術・技法に裏打ちされた立派なものです。そして、陶芸をするからには著名な作家の作品にすこしでも近づこうと、あるいはより創造的な作品をつくるため、陶芸を志す皆様は日夜技術の向上を目指してがんばっておられます。 2)私の目指すもの しかし、私は作陶としての技術向上のみにとらわれて作品の優劣に一喜一憂するのではなく、誰でも楽しく陶芸に親しめるような作陶術(ユニバーサル作陶術)を考え出すことを目指しています。 3)具体的には いろいろな障害が原因となって、片手のみしか動かすことができないハンディのある人や、手指の動きが困難な人、力が入りにくい人、筋力の弱い人、等 陶芸がしたいけれども不自由な手、指のために「やきもの」作りは無理とあきらめている人もリハビリテーションをも兼ねて、取り組んでもらえるように便利な補助道具を使った作陶方法を障害のある人達と共に作陶をやりながら活動しています。 4)活動状況 現在、滋賀県立「むれやま荘」にて、仲間の人達と共に陶芸サークルのボランティアに従事中。 2.実際の補助道具と使用方法 障害によりハンディのある人のための一般的な日常生活上便利な道具として、「自助具」とよばれる補助道具が有ります。例えば、お箸の開閉を楽にする「バネ付き箸」、靴下をはきやすくする「ソックスエイド」、スプーンをうまく口まで持って行けるような「曲がりスプーン」 その他、各種の補助道具があり、私もこれらの「自助具」の製作に携わったことがあり、この経験を活かして作陶用の補助道具を作りました。 まだ未使用の物もあり、今後使用実績をみながらさらに改良、発展させる所存です。 1)ペーパーを使う(ペーパ方式) 「手動ろくろ」の代わりとして、粘土(この場合は丸い団子状の物)の下に紙片を敷く方法。「手動ろくろ」が不要なので、簡単に成形できるが全体の形状としては滑らかな円形状にはならない。 2)「高台」成形用「こて」 「ペーパー方式」の場合は、「高台」作成の際に裏返して削る加工ができないので、そのままの状態で、底部の「高台」を成形できるようにした「こて」 3)「切り糸器」 「手動ろくろ」を使用して成形後、成形品を「ろくろ」から外す為に片手でも使えるように工夫したもの。 4)「成形品持ち上げホルダー」 「ろくろ」から外した成形品を片手でも持ち上げて移動できるようにしたもの。 5)「特殊たたら板」 板状のたたら粘土製作時に片手でも「たたら板」が動かないようにストッパー等を付けたもの。 6)「簡易電動ろくろ」 「電動ろくろ」は各種のものがあるが、電気ドリルを使用した簡単な「簡易電動ろくろ」を製作。 |